Q&A
- Q1.なぜ安全方策が必要なのでしょうか?
- Q2.安全方策と対策の違いを教えてください。
- Q3.リスクアセスメントって何ですか?
- Q4.リスクアセスメントの手順にある「危険源を同定する」の「同定」とは何ですか?
- Q5.リスクアセスメントの見積もり方法について教えてください。
- Q6.ISO13849:1999年版と2006年版の主な違いは何ですか?
Q1.なぜ安全方策が必要なのでしょうか?
A:主としてはリスクから人を守るため。ひいては、産業の生産性向上を図るためです。
産業革命などにもみられるように、人は永年培ってきた知恵や知識を駆使して、時代の変化に応じて仕事を効率化させながら、生産性を上げてきました。
現代では特に機械やロボットが人に代わって作業をする機会が増え、機械と人の安全を考えることが生産性を上げるうえでも重要になってきました。
この考え方の背景には「人は間違いを犯す」「機械は壊れる」という考え方が前提にあり、機械やロボットが故障しても人に危害を及ばすことのないようしっかりとした安全方策を行うことが、すなわちリスクから人を守り、結果的に生産性を上げるための方策ともなるのです。
Q2.安全方策と安全対策の違いを教えてください。
A:安全方策とはリスクや危険を未然に防ぐため、事前に計画を立て、策を講じることです。
反対に、安全対策とは、事故や災害などが起こった後にその対応として対策をたてて検討し、策を講じることです。
特に生産現場においては、事故を未然に防ぐための「安全方策」を講じることは最重要事項となっています。
Q3.リスクアセスメントって何ですか?
A:業務上の危険性・有害性を調査すること、つまり危険性などを特定し、対策へつなげることです。
業務において、たとえ危険がそのとき起きていなかったとしても、潜在的な危険は存在していると考えることが安全方策の第一歩となります。逆にこれらが放置されている場合は、事故や災害が起こる可能性が高い状態であると言えます。
リスクアセスメントは潜在的な危険性を考慮して、事故や災害から作業者の安全を確保し、リスクを可能な限り低減するため、危険性や有害性を調査し、しかるべき手順を踏んでリスクを評価することを言います。
>>リスクアセスメント
Q4.リスクアセスメントの手順にある「危険源を同定する」の「同定」とは何ですか?
A:危険源リストと照らし合わせながら、危険源を見つけ出すことです。
「同定」という言葉の字義としては、「ある対象について、そのものにかかわる既存の分類の中から、それの帰属先を探す行為のこと」を意味します。
リスクアセスメントにおいては「同定」は「特定」や「抽出」とは区別して考えられています。業務上において、危険源をすべて洗い出すには膨大な労力と時間が必要なため、安全に関する国際規格にあらかじめ記載されている危険源リストを閲覧し、危険性があるかどうか一つずつ確認作業をしながら危険源を見つけ出します。この行為は危険源リストと照らし合わせながら行うことを指していますので、「同定」と呼んでいます。
Q5.リスクアセスメントの見積もり方法について教えてください。
A:見積もり方法にはさまざまな方法があります。
リスクの見積もりとはリスクアセスメントの手順のひとつで、主に危険源を同定したのちにそのリスク要素を決定することです。またどのようなリスクが存在するか、またその優先度を決定することです。
リスクの見積もりにはさまざまな方法がありますが、主な方法は以下の通りです。
1.選択法
最も代表的な方法で、「けがの重大性」「危険にさらされる頻度」「危険を避けうる可能性」の大小を選択して、最終的なリスクを求めます。
2.マトリクス法
2つのパラメータの組み合わせでリスクを決定する方法で、最も簡易な方法と言えます。
3.加算法
リスクを数値化する方法で、いくつかのパラメータに点数をつけ、その合計でリスクを決定する方法です。
4.積算法
いくつかのパラメータに点数をつけ、それぞれを掛け算してリスクを決定する方法です。
Q6.ISO13849は2023年度版が発行されましたが主な変更点は何ですか?
A:制御システムの安全関連部の評価の手順について変更はありません。
PLrの決定からカテゴリの選択、MTTFDとDCの算出、チェックリストによるCCFの評価、これらを総合してPLの妥当性確認をする手順は同じです。
用語の追加やPL eの範囲の変更、EMIチェックリスト(参考)が追加されるなど、付属書(Annex)が増えています。
>>パフォーマンスレベル